33.藤裏葉(ふぢのうらば)
「ふぢのうらば」を「藤裏葉」と表記してあるが、「うらば」は「末葉」で「本葉(もとは、枝幹に近い葉)」に対する<枝先の方の葉>のこと、と大辞泉にある。で、「末葉」は「まつよう」で<子孫、末裔>のことでもあり<末期>でもあり<小さなこと、大事ではないこと>でもある。また、「うら」は「裏・浦」であり<心の中>であり<占い>であり、「うらば」には<占はば=占ってみれば→気持ちを考えてみると>の語感がありそうだ。この帖は、光る源氏の太政大臣時代三十九歳三月から十月までの物語。
[主要登場人物]
01.光る源氏<ひかるげんじ>、39歳。
六条の院・六条の大臣・主人の院・大臣・父大臣・主人。
02.夕霧<ゆうぎり>、光る源氏の長男18歳。
宰相中将・宰相殿・宰相の君・宰相・中納言・中将・男君・男・君。
03.雲居雁<くもいのかり>、夕霧の恋人20歳。女君・女、内大臣の娘。
04.内大臣<ないだいじん>、藤原殿45歳(推)。太政大臣・主人の大臣・大殿・大臣。
05.柏木<かしわぎ>、藤原殿長男24歳(推)。頭中将・中将。
06.紫の上<むらさきのうえ>、源氏殿正妻31歳。対の上・北の方・上。
07.花散里<はなちるさと>、源氏殿側室40歳代半ば(推)。夏の御方。
08.秋好中宮<あきこのむちゅうぐう>、梅壺30歳。中宮・宮。
09.冷泉帝<れいぜいてい>、21歳。朝廷・帝・内裏の帝・内裏。
10.明石御方<あかしのおおんかた>、34歳(推)。母君。
11.明石姫君<あかしのひめぎみ>、11歳。御方。
12.東宮<とうぐう>、13歳。宮。
13.藤典侍<とうないしのすけ>、惟光の娘21歳(推)。典侍。
[第一段 夕霧と雲居雁の相思相愛の恋]
[第二段 三月二十日、極楽寺に詣でる]
[第三段 内大臣、夕霧を自邸に招待]
[第四段 夕霧、内大臣邸を訪問]
[第五段 藤花の宴 結婚を許される]
[第六段 夕霧、雲居雁の部屋を訪う]
[第七段 後朝の文を贈る]
[第八段 夕霧と雲居雁の固い夫婦仲]
[第一段 紫の上、賀茂の御阿礼に参詣]
[第二段 柏木や夕霧たちの雄姿]
[第三段 四月二十日過ぎ、明石姫君、東宮に入内]
[第四段 紫の上、明石御方と対面する]
[第一段 源氏、秋に准太上天皇の待遇を得る]
[第二段 夕霧夫妻、三条殿に移る]
[第三段 内大臣、三条殿を訪問]
[第四段 十月二十日過ぎ、六条院行幸]
[第五段 六条院行幸の饗宴]
[第六段 朱雀院と冷泉帝の和歌]