30.藤袴(ふぢばかま)
「フジバカマ」は<キク科の多年草。川岸などに生え、高さ約1メートル。茎は直立し、葉は三つに裂けていて、対生する。8、9月ごろ、淡紅紫色の頭状花を密につける。秋の七草の一。蘭草。《季語 秋》>と大辞泉あり、また「藤袴」は<襲(かさね)の色目の名。表裏ともに紫。秋に用いる。>ともある。枝先に多くの小さな藤色(薄紫)の花を付ける。そして、その花弁が袴のように膨らんでいる。この帖は、光る源氏の太政大臣時代三十七歳秋八月から九月の物語。
[主要登場人物]
01.光る源氏<ひかるげんじ>、三十七歳、六条の大臣・大臣・大殿・大臣の君・殿。
02.夕霧<ゆうぎり>、光る源氏の長男16歳、宰相中将・中将・君。
03.玉鬘<たまかづら>、藤原三姫ただし歳では一姫23歳、尚侍の君・女・君、内大臣の娘。
04.内大臣<ないだいじん>、藤原殿43歳(仮)、父大臣・大臣・殿。
05.柏木<かしわぎ>、藤原長男22歳(仮)、頭中将・中将・君。
06.紫の上<むらさきのうえ>、源氏殿正妻29歳、殿の上。
07.弘徽殿女御<こきでんのにょうご>、藤原一姫ただし歳では二姫20歳、弘徽殿・女御。
08.冷泉帝<れいぜいてい>、19歳、主上・内裏。
09.秋好中宮<あきこのむちゅうぐう>、梅壺28歳、中宮。
10.鬚黒大将<ひげくろだいしょう>、藤原右家33歳、大将・大将殿・君。
11.蛍兵部卿宮<ほたるひょうぶきょうのみや>、34歳(仮)、兵部卿宮・宮。
12.承香殿女御<しょうきょうでんのにょうご>、春宮の女御。
13.鬚黒の北の方<ひげくろのきたのかた>、北の方・御大君。
[第一段 玉鬘、内侍出仕前の不安]
[第二段 夕霧、源氏の使者として玉鬘を訪問]
[第三段 夕霧、玉鬘に言い寄る]
[第四段 夕霧、玉鬘と和歌を詠み交す]
[第五段 夕霧、源氏に復命]
[第六段 源氏の考え方]
[第七段 玉鬘の出仕を十月と決定]
[第一段 柏木、内大臣の使者として玉鬘を訪問]
[第二段 柏木、玉鬘と和歌を詠み交す]
[第一段 鬚黒大将、熱心に言い寄る]
[第二段 九月、多数の恋文が集まる]