15.蓬生(よもぎふ)
「蓬生」は<ヨモギが一面に生え茂って荒れ果てている所。>と大辞泉にある。また、ヨモギは<キク科ヨモギ属の多年草。山野に生え、高さ約1メートル。>とあり、葉は草餅に使う餅草であり、葉の裏毛はモグサにして灸に用いる、とのこと。そして、<襲(かさね)の色目の名。>ともあり、萌黄色(もえぎいろ、若葉のような黄緑)のことらしい。この帖は、光る源氏の須磨明石離京時代から帰京後までの末摘花の物語。
[主要登場人物]
01.光る源氏<ひかるげんじ、二十八歳から二十九歳>、大将殿・権大納言殿・殿・大殿・君。
02.末摘花<すえつむはな、故常陸親王の娘> 、常陸宮の君・姫君・宮・君。
03.禅師の君<ぜんじのきみ、末摘花の兄>、前師の君。
04.北の方<きたのかた、末摘花の母方の叔母>、御叔母・大弐の北の方。
05.侍従の君<じじゅうのきみ、末摘花の乳母子>、侍従。
06.惟光<これみつ、光る源氏の乳母子>
07.花散里<はなちるさと、源氏の愛人>
08.紫の上<むらさきのうえ、光る源氏の妻>、二条の上・対の上。
[第一段 末摘花の孤独]
[第二段 常陸宮邸の窮乏]
[第三段 常陸宮邸の荒廃]
[第四段 末摘花の気紛らし]
[第五段 乳母子の侍従と叔母]
[第一段 顧みられない末摘花]
[第二段 法華御八講]
[第三段 叔母、末摘花を誘う]
[第四段 侍従、叔母に従って離京]
[第五段 常陸宮邸の寂寥]
[第一段 花散里訪問途上]
[第二段 惟光、邸内を探る]
[第三段 源氏、邸内に入る]
[第四段 末摘花と再会]
[第一段 末摘花への生活援助]
[第二段 常陸宮邸に活気戻る]
[第三段 末摘花のその後]