14.澪標(みをつくし)
「みを」は「水尾」で<舟の水路>のこと。「つ」は<と成る、の為の>という意味を表す格助詞。「くし」は「串」で<目標の杭>のこと。したがって「みをつくし」と通せば<舟の水路の為の目標の杭>と成る、と大辞泉などにある。また、「みをつくし」の語呂を<和歌では「身を尽くし」にかけて用いることが多い。みおぎ。みおぐい。みおじるし。>ともある。この帖は、光る源氏の二十八歳初冬十月から二十九歳冬まで内大臣時代の物語。
[主要登場人物]
01.光る源氏<ひかるげんじ>、二十八歳から二十九歳、
源氏の君・源氏の大納言・源氏の大殿・大殿・大殿の君・内大臣殿・君。
02.頭中将<とうのちゅうじょう>、故葵の上の兄、宰相中将・権中納言。
03.桐壷院<きりつぼのいん>、光る源氏の父、院・故院・院の帝・主上。
04.朱雀院<すざくいん>、光る源氏の兄、主上・帝・院・主上・内裏。
05.冷泉帝<れいぜいてい>、光る源氏の弟、春宮・当代・主上・内裏。
06.弘徽殿大后<こうきでんのおおぎさき>、朱雀帝の母后、大后・大宮。
07.藤壷の宮<ふじつぼのみや>、冷泉帝の母、母宮・入道后の宮・入道の宮。
08.朧月夜君<おぼろづきよのきみ>、朱雀帝の妻、内侍の君・尚侍の君・督の君・女君。
09.花散里<はなちるさと>、源氏の愛人、花散里。
10.紫の上<むらさきのうえ>、光る源氏の妻、女君。
11.明石の君<あかしのきみ>、明石入道の娘、明石・子持ちの君・明石の人・女君。
12.明石の姫君<あかしのひめぎみ>、源氏の娘、稚児・若君。
13.宣旨の娘<せんじのむすめ>、明石の姫君の乳母、宣旨の娘。
14.六条御息所<ろくじょうのみやすどころ>、源氏の愛人、御息所・故御息所・母御息所。
15.齋宮<さいぐう>、六条御息所の娘、宮。
16.弘徽殿女御<こうきでんのにょうご>、頭中将の娘、御女・姫君。
[第一段 故桐壷院の追善法華御八講]
[第二段 朱雀帝と源氏の朧月夜尚侍をめぐる確執]
[第三段 東宮の御元服と御世替わり]
[第一段 宿曜の予言と姫君誕生]
[第二段 宣旨の娘を乳母に選定]
[第三段 乳母、明石へ出発]
[第四段 紫の君に姫君誕生を語る]
[第五段 姫君の五十日の祝]
[第六段 紫の君、嫉妬を覚える]
[第一段 花散里訪問]
[第二段 筑紫の五節と朧月夜尚侍]
[第三段 旧後宮の女性たちの動向]
[第四段 冷泉帝後宮の入内争い]
[第一段 住吉詣で]
[第二段 住吉社頭の盛儀]
[第三段 源氏、惟光と住吉の神徳を感ず]
[第四段 源氏、明石の君に和歌を贈る]
[第五段 明石の君、翌日住吉に詣でる]
[第一段 斎宮と母御息所上京]
[第二段 御息所、斎宮を源氏に託す]
[第三段 六条御息所、死去]
[第四段 斎宮を養女とし、入内を計画]
[第五段 朱雀院と源氏の斎宮をめぐる確執]
[第六段 冷泉帝後宮の入内争い]