9.葵(あふひ)
葵はフタバアオイのこと。双葉葵は「ウマノスズクサ科の多年草。山地の木陰に生える。根茎は地をはい、2枚の心臓形の葉をつける。春、葉の間に、柄のある淡紅紫色の花を1個下向きに開く。京都の賀茂神社の神紋(大辞泉)」とある。其の事から賀茂祭(かもまつり)を葵祭(あおいまつり)とも言い、京都で「祭」といえば葵祭をいうらしい。また葵襲は「襲(かさね)の色目の名。表は薄青、裏は薄紫。陰暦4月に用いた(同左)」とある。この帖は、光る源氏の二十二歳春から二十三歳正月まで近衛大将時代の物語。
[主要登場人物]
01.光る源氏<ひかるげんじ>、22歳から23歳、参議兼近衛右大将。
大将の君・大将・大将殿・男君。
02.頭中将<とうのちゅうじょう>、葵の上の兄、28歳(推)。三位中将・中将の君・中将。
03.桐壷帝<きりつぼのみかど>、光る源氏の父、40歳代半ば(推)。院・帝。
04.弘徽殿女御<こうきでんのにょうご>、桐壷帝の女御、東宮の母、40歳代半ば(推)。
今后・后・大后。
05.藤壷の宮<ふじつぼのみや>、光る源氏の継母、27歳。后の宮・中宮、桐壷帝の后。
06.葵の上<あおいのうえ>、光る源氏の正妻、26歳。大殿・殿・姫君。
07.六条御息所<ろくじょうのみやすどころ>、光る源氏の愛人、29歳。御息所・女。
08.紫の上<むらさきのうえ>、光る源氏の妻、14歳。姫君・二条の君・対の姫君・女君。
09.朧月夜の君<おぼろづきよのきみ>、弘徽殿女御の妹。御匣殿、右大臣の娘。
10.朝顔の姫君<あさがおのひめぎみ>、光る源氏の恋人の一人。
姫君・朝顔の宮、式部卿宮の娘。
[第一段 朱雀帝即位後の光る源氏]
[第二段 新斎院御禊の見物]
[第三段 賀茂祭の当日、紫の君と見物]
第二章 葵の上の物語 六条御息所がもののけとなってとり憑く物語
[第一段 車争い後の六条御息所]
[第二段 源氏、御息所を旅所に見舞う]
[第三段 葵の上に御息所のもののけ出現する]
[第四段 斎宮、秋に宮中の初斎院に入る]
[第五段 葵の上、男子を出産]
[第六段 秋の司召の夜、葵の上死去する]
[第七段 葵の上の葬送とその後]
[第八段 三位中将と故人を追慕する]
[第九段 源氏、左大臣邸を辞去する]
[第一段 源氏、紫の君と新手枕を交わす]
[第二段 結婚の儀式の夜]
[第三段 新年の参賀と左大臣邸へ挨拶回り]