10.賢木(さかき)
賢木は神木として神に供せられる常緑樹の総称という。また、ツバキ科の常緑小高木。関東以西の山林中に自生し、高さ約5メートル。葉は互生し、やや倒卵形で先が細く、つやがあって堅い。夏、白い花をつけ、実は熟すと黒くなる、と大辞泉にある。この帖は、光る源氏の二十三歳秋九月から二十五歳夏まで近衛大将時代の物語。
[主要登場人物]
01.光る源氏<ひかるげんじ>、二十三歳から二十五歳 参議兼近衛右大将。大将の君・大将・大将殿・右大将・男・君・殿。
02.頭中将<とうのちゅうじょう>、故葵の上の兄。三位中将・中将。
03.桐壷院<きりつぼのいん>、光る源氏の父。院の上・院・故院。
04.朱雀帝<すざくてい>、光る源氏の兄。帝・内裏。
05.弘徽殿大后<こうきでんのおおぎさき>、右大臣の娘、朱雀帝の母后。大后・后・大宮・后の宮・宮・宮の御方。
06.藤壷の宮<ふじつぼのみや>、東宮の母。中宮・宮・母宮、桐壷帝の后。
07.六条御息所<ろくじょうのみやすどころ>、光る源氏の愛人。御息所・女君・女。
08.齋宮<さいぐう>、六条御息所の娘。宮。
09.紫の上<むらさきのうえ>、光る源氏の妻。西の対の姫君・対の姫君・女君・姫君。
10.朧月夜の君<おぼろづきよのきみ>、右大臣の娘、弘徽殿女御の妹。御匣殿・尚侍君・女君・女。
11.朝顔の姫君<あさがおのひめぎみ>、式部卿宮の娘、光る源氏の恋人の一人。齋院・朝顔。
12.兵部卿宮<ひょうぶきょうのみや>、紫の上の父。親王・父親王・宮。
13.左大臣<さだいじん>、故葵の上の父。左大殿・左大臣・致仕大臣・大臣。
[第一段 六条御息所、伊勢下向を決意]
[第二段 野の宮訪問と暁の別れ]
[第三段 伊勢下向の日決定]
[第四段 斎宮、宮中へ向かう]
[第五段 斎宮、伊勢へ向かう]
[第一段 十月、桐壷院、重体となる]
[第二段 十一月一日、桐壷院、崩御]
[第三段 諒闇の新年となる]
[第四段 源氏朧月夜と逢瀬を重ねる]
[第一段 源氏、再び藤壷に迫る]
[第二段 藤壷、出家を決意]
[第一段 秋、雲林院に参籠]
[第二段 朝顔斎院と和歌を贈答]
[第三段 源氏、二条院に帰邸]
[第四段 朱雀帝と対面]
[第五段 藤壷に挨拶]
[第六段 初冬のころ、源氏朧月夜と和歌贈答]
[第一段 十一月一日、故桐壷院の御国忌]
[第二段 十二月十日過ぎ、藤壷、法華八講主催の後、出家す]
[第三段 後に残された源氏]
[第一段 諒闇明けの新年を迎える]
[第二段 源氏一派の人々の不遇]
[第三段 韻塞ぎに無聊を送る]
[第一段 源氏、朧月夜と密会中、右大臣に発見される]
[第二段 右大臣、源氏追放を画策する]