2.帚木(ははきぎ)
帚木は箒になるホウキグサの古名。遠くで見えても近づくと見えなかったという伝説から、情けがあるように見えて、実のないことを例えて言う言葉。この帖は、光る源氏が十七歳夏の参議(宰相)兼近衛中将時代の物語。
[主要登場人物]
01.光る源氏(ひかるげんじ)、十七歳 参議兼近衛中将、光る源氏・中将・君・客人。
02.頭中将(とうのちゅうじょう)、妻葵の上の同母兄、宮腹の中将・君・中将・中将の君・頭の君。
03.左馬頭(さまのかみ)、左馬寮の長官、左馬頭・馬頭。
04.藤式部丞(とうしきぶのじょう)、藤原姓の式部省の三等官、藤式部丞・式部、藤原の某。
05.指食いの女(ゆびくいのおんな)、人・女・正身・さがな者。
06.浮気な女(うわきなおんな)
07.内気な女(うちきなおんな)、常夏、のちの夕顔、頭中将との間に娘(玉鬘)をもうける。
08.博士の娘(はかせのむすめ)、さかし人。
09.紀伊守(きいのかみ)、伊予介の子、空蝉の継子、紀伊守・主人・守・朝臣。
10.空蝉(うつせみ)、紀伊守の継母、小君の姉、伊予介の後妻、故中納言兼衛門督の娘、
姉なる人・姉君・いもうと・女君・女・継母。
11.小君(こぎみ)、故中納言兼衛門督の子、空蝉の弟、中納言の子・小君。
[第一段 長雨の時節]
[第二段 宮中の宿直所、光る源氏と頭中将]
[第三段 左馬頭、藤式部丞ら女性談義に加わる]
[第四段 女性論、左馬頭の結論]
[第一段 女性体験談(左馬頭、嫉妬深い女の物語)]
[第二段 左馬頭の体験談(浮気な女の物語)]
[第三段 頭中将の体験談(常夏の女の物語)]
[第四段 式部丞の体験談(畏れ多い女の物語)]
[第一段 天気晴れる]
[第二段 紀伊守邸への方違へ]
[第三段 空蝉の寝所に忍び込む]
[第四段 それから数日後]