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36.柏木(かしはぎ)

「柏木」は柏餅の葉が生る木なわけだが、「かしは」は「かしく(炊く、炊事する)」時に用いる「葉」という語源説もあるらしい。また、大辞泉に<《カシワの木に葉守の神が宿るという伝承から》皇居警備の任に当たる兵衛(ひょうえ)または衛門(えもん)の異称。>とある。掛詞の表題はこの物語の巻名ではよく使われる。この帖は、光る源氏の准太上天皇時代四十八歳春一月から夏四月までの物語。

[主要登場人物]

01.光る源氏<ひかるげんじ>、源氏殿48、六条院・主人の院・院・大殿・大殿の君。

02.朱雀院<すざくいん>、源氏の兄51、院・山の帝。

03.女三の宮<おんなさんのみや>、朱雀院三女、源氏の正妻22、宮・二品の宮・尼宮・女宮・女。

04.<かおる>、柏木と女三宮の密通の子1、男君・若君・君。

05.柏木<かしわぎ>、藤原左家の長男33()、衛門督の君・衛門督・故殿。

06.夕霧<ゆうぎり>、光る源氏の長男、源君27歳、大将の君・大将・大将殿・殿・君。

07.雲居雁<くもいのかり>、藤原二女、源君の妻29、大将殿の北の方・大将の御方・女君。

08.致仕の大臣<ちじのおとど>、藤原殿54()、致仕の大臣・父大臣・大臣。

09.四の君<しのきみ>、藤原殿夫人50()、北の方・母北の方・母上・上。

10.紫の上<むらさきのうえ>、源氏の妻38、二条の上。

11.今上帝<きんじょうてい>、朱雀院皇子22、内裏・主上・朝廷。

12.落葉宮<おちばのみや>、朱雀院の第二内親王、藤君夫人24()、女宮・宮。

13.一条御息所<いちじょうのみやすんどころ>、落葉宮の母、母御息所・御息所。

 

第一章 柏木の物語 女三の宮、薫を出産

[第一段 柏木、病気のまま新年となる]

[第二段 柏木、女三の宮へ手紙]

[第三段 柏木、侍従を招いて語る]

[第四段 女三の宮の返歌を見る]

[第五段 女三の宮、男子を出産]

[第六段 女三の宮、出家を決意]

 

第二章 女三の宮の物語 女三の宮の出家

[第一段 朱雀院、夜闇に六条院へ参上]

[第二段 朱雀院、女三の宮の希望を入れる]

[第三段 源氏、女三の宮の出家に狼狽]

[第四段 朱雀院、夜明け方に山へ帰る]

 

第三章 柏木の物語 夕霧の見舞いと死去

[第一段 柏木、権大納言となる]

[第二段 夕霧、柏木を見舞う]

[第三段 柏木、夕霧に遺言]

[第四段 柏木、泡の消えるように死去]

 

第四章 光る源氏の物語 若君の五十日の祝い

[第一段 三月、若君の五十日の祝い]

[第二段 源氏と女三の宮の夫婦の会話]

[第三段 源氏、老後の感懐]

[第四段 源氏、女三の宮に嫌味を言う]

[第五段 夕霧、事の真相に関心]

 

第五章 夕霧の物語 柏木哀惜

[第一段 夕霧、一条宮邸を訪問]

[第二段 母御息所の嘆き]

[第三段 夕霧、御息所と和歌を詠み交わす]

[第四段 夕霧、太政大臣邸を訪問]

[第五段 四月、夕霧の一条宮邸を訪問]

[第六段 夕霧、御息所と対話]

 

 

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